2015.08.27
メルセデス・ベンツ日本株式会社 製品広報課マネージャーの嶋田智美さんインタビュー
私達「Next Car Generation」(以下:NCG)は、次の自動車世代を生きる20代までの若者たちで結成された団体です。若者のクルマ離れを止めるには、同年代がその楽しみを伝えることが最も有効だという考えのもと、様々な活動を通して若者とクルマの世界をつないでいます。
そこで今回はメルセデス・ベンツ日本株式会社 製品広報課マネージャーの嶋田智美さんからメルセデス・ベンツの魅力を教えていただきました。
大塚:嶋田さん、本日はよろしくお願いします。
嶋田さん:よろしくお願いします。
大塚:今回はGTもすごかったのですが、NCGとしては、CLAに注目しました。GTは価格が1000万円オーバーですけど、CLAはスタートプライスが350万円程で、頑張れば手が届きそうだし、このクルマで仲間を乗せて旅行したら楽しそうだなって思いまして(笑)。
メルセデスといえば、とにかく高級というイメージが私達にとってはあるのですが、最近はこのくらいの価格帯のクルマが出てきたりして、どんどん近い存在に感じてきています。それはどのような狙いがあってのことなのですか?
嶋田さん:我々はメルセデスをよりよくしていくために、大きくわけると2つのアプローチをしています。ひとつはたくさんの方にメルセデスに乗って頂くこと。そのために、価格を下げました。例えばエントリーモデルであるAクラスは298万円なのですが、この298万円という価格がポイントになります。最初、設定していた価格が3百万円ちょっとだったんです。けれど日本人には、スーパーでよくある98円!みたいに頭が低い数字に反応しますよね?
大塚:確かに!意識したことは無かったですがそうかもしれません!「ニーキュッパ」とか、「サンキュッパ」とか聞くと安い「気」がしますから。
嶋田さん:そうですよね(笑)。そのために本国へ298万円という提案をしたんですが、「そんな数万円安くなったところで、何が変わるというのだ。」と、理解をしてもらえませんでした。ドイツの人たちにはそういう感覚が全くないのです。これを実現するために、何か月も本国を説得しました。そして298万円という価格がやっとの思いで実現すると、実際にその数万円でお客様の反応がガラッと変わり、食いつきがよくなりました。
大塚:やはり実際に反応は変わったのですね!!目から鱗です。私達も日頃の「~キュッパ」に消費行動を左右されているのかも…
もう一つの広報のアプローチ法は何ですか?
嶋田さん:そうだと思いますよ(笑)。もう一つは、既存のイメージを変えることです。さっきメルセデスは高級というイメージがあるとおっしゃられましたが、まさにその通りで、例えばEクラスはスタートプライスを599万円で販売しているのですが、イメージ調査をしたら、800万円くらいに思われていたんです。このイメージを壊して、メルセデスを”自分にも手が届くんだ”と思ってもらえる車にしようと考えました。
ちょうどその頃です。TVCMや新聞広告に販売価格を掲載するようになったのは。価格をどんな媒体であれ掲載するのは、高級車として恥ずかしいという風潮があり、価格を掲載すると「メルセデスが価格なんて載せちゃって」と思われたかもしれませんが、それを逆手に取り敷居を下げることを目指しました。
イメージだけでなく、具体的な買いやすさも強化しました。
今携帯電話・スマートフォンって一括で払うのではなくて、分割で月々支払うから買いやすいじゃないですか。そいういうこともあって、最近車両価格の一部を据え置く「残価設定型ローン」の利用率が高まっています。このシステムを利用すれば、解約したくなっても、走行距離が規程以内で、綺麗に乗っていれば、お金を追加で払うこと無く車を返却することもできます。そのようにして、次々新しい車に乗り換えるような人も最近は増えてきましたね。
このような施策によって、多くの方に「メルセデスは現実的に手が届く車」という認識を持ってもらえると嬉しいですね。
大塚:お話を聞いていると、僕にも買えそうだとだんだん思ってきました!
いつかはメルセデスに乗れるように頑張ろうと思います!
今日は貴重なお話を聞かせて頂き、ありがとうございました。
嶋田さん:そう言って頂けて、とても嬉しいです。
ありがとうございました。
取材/NCGメンバー:大塚 文/NCGメンバー:堀本